自分の夢は本気の夢か?70歳でめざすKONA

リタイアしてから始めたトライアスロン。この年齢になっても、長い距離でもやれるかもしれないとアイアンマンへの挑戦を狙っている。トレーニングと日々感じたことを記しておこうと思った。

出来ないなんてことはない…

 一週間後、ジェラルドから連絡があった。

「やはり、記録が出てこない。僕は21kmのランをしていないことになっている。頑張ったことがムダになってしまった。がっかりだ。

 もう、勝負はついたし今週のレースは君は休めるね。

 来月のシリーズ戦はやる気が失せてしまった。言い忘れたけど、1戦目で優勝したルイージは素晴らしいランナーだよ。気持ちがとても強いのだ。

 watanabe、お互い本当によくやったよね。ユタへのスロットは君のものだ。」

「とても残念だよ。君のレース結果が見られないから変だなと思ってたんだ。なにか面倒なことが起きたのだろうかと心配した。21km走った記録が出ないのだから悔しいのはよく分かる。」

「ジェラルド、君はとても強い人間だと聞いている。コナでも入賞したらしいね。すごいことだ。僕は常に君を追いかける立場だ。もう次のレースの準備はしている。でも、君が出ないなら、どうしようかな。」

「次のレースか…。トレーニング代わりとしてやるのもいいね。去年コナに行ったけど、あそこは特別なところだ。気持ちもタフさが求められた。」

「誰もがあこがれるコナだね。いつか行ってみたい。」

「間違いなくその日は来るよ。僕は平均的な人間だけど行くことが出来た。夢見よう。出来ない事なんてない。必ず叶うはず。」

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2019 IRONMAN HAWAII KONAのゴール写真(Red Bull)

「いつかレースで会いたい。そして勝負したい。その日まで頑張って練習を続けるよ。そんなことを考えるとやる気が出る。次のシリーズ頑張ってほしい。」

 コメントを打ちながら、ジェラルドのおかれた状況への同情と、レースを続ける緊張感から解放される安堵感とが入り交じった。

 彼への慰めと、お互いのこれからの、いつか必ず出会えるであろう期待と、ゴール後共に健闘をたたえ合う姿が、私の新たなモチベーションになり始めた。